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【神社のいろは第12回】これで完璧!「二拝二拍手一拝」の正しい作法と手のずらし方の意味、出雲大社「四拍手」の謎を徹底解説!

前回の記事では、参道を彩る「玉砂利(たまじゃり)」の清らかな意味や、お賽銭の歴史、そして天岩戸神話におけるアメノウズメノミコトのダンスと「鈴」の神秘的な関係について勉強しました。

お賽銭をそっと納め、涼やかに鈴を鳴らしたら、いよいよ参拝のクライマックスである「拝礼(はいれい)」です! 今回は、私たちが普段行っている「二拝二拍手一拝(二礼二拍手一礼)」の正しい作法と、そこに隠された深い意味、そしてなぜ手を叩くのを「かしわで」と呼ぶのかという歴史の謎に迫ります。

「お辞儀って何回するのが正しい?角度は?」 「手を叩くとき、なぜ右手を少し下にずらすの?」 「出雲大社にお参りすると、みんな4回手を叩いているのはどうして?」

日常の参拝がもっと深く、もっと凛としたものに変わる一生物のマナーを、今回も試験に出るポイントと一緒にすっきり整理して学んでいきましょう!

目次

1. 美しい参拝作法「二拝二拍手一拝」の完全マニュアル

現在、多くの神社で推奨されている参拝の標準的なお作法は「二拝二拍手一拝(にはい にはくしゅ いっぱい)」(または二礼二拍手一礼)です。 まずは、頭の先から指先まで美しく見える、正式な手順をステップ順におさらいしましょう。

【ステップ1】深いお辞儀を2回する「二拝(にはい)」

  1. 神前に向かって、ピンと背すじを伸ばしてまっすぐ立ちます。
  2. 腰を深く「90度」に折り、背中を平らにして頭を下げます。
  3. この深く丁寧なお辞儀を2回繰り返します。

【ステップ2】胸の高さで手を打つ「二拍手(にはくしゅ)」

  1. 胸の高さで両手を合わせます(合掌)。
  2. 右手を少し手前(下)にスライドさせてずらします。(※ずらす意味は後ほど解説します!)
  3. その状態で、肩幅程度に両手を開き、パン、パンと快い音を2回響かせます。
  4. ずらしていた右手を再びスライドさせて戻し、指先をぴったりと合わせ、神様へ感謝を伝える祈りを込めます。
  5. 祈りを終えたら、静かに両手を下ろします。

【ステップ3】感謝の深いお辞儀を1回する「一拝(いっぱい)」

  1. 再び腰を「90度」に折って、深く丁寧なお辞儀を1回します。

💡 さらに美しく!大人の「会釈(えしゃく)」マナー

「二拝二拍手一拝」を行うその前後に、軽く腰を30度ほど折る「会釈(一揖・いちゆう)」を入れると、参拝全体の流れがぐっと引き締まり、より丁寧で洗練された気持ちを神様にお伝えすることができます。

2. なぜ右手をずらす?「拍手」に込められた神道思想

手を合わせる際、なぜ右手の指先を左手の第一関節あたりまで「少し下に引いて(ずらして)」打つのでしょうか。ここには、神道ならではの大変美しい思想が隠されています。

神道や東洋の考え方において、

  • 左手は「陽(ひ)」、つまり「心・精神・清浄・主(あるじ)」を表します。
  • 右手は「陰(み)」、つまり「体・物理・不浄・客」を表します。

右手を一歩引いてずらすことで、「まだ神様と一体になっていない、一歩下がった謙虚な自分」を表現しているのです。 そして、ずらしたまま手を打って清らかな音を響かせたあと、右手を元に戻して指先をピタッと合わせることで、「神様と自分自身の魂がぴったりと一体になった状態(神人合一・しんじんごういつ)」を表します。

ただ手を叩くだけでなく、この精神を意識するだけで、胸の前で手を合わせる瞬間の手の平がとても神聖なものに感じられますね。

3. なぜ手を打つことを「かしわで(拍手)」と呼ぶの?

手を叩く行為は、古くは「拍手(はくしゅ/ひょうしゅ)」、または「開手(かいしゅ)」と呼ばれていました。これは世界的に見られる拍手喝采(お祝い)の意味とは異なり、日本独自の非常に古い拝礼作法です。

3-1. 中国の歴史書『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』の証言

約1,800年前の日本の様子を記した『魏志倭人伝』には、古代の日本人が身分の高い人(貴人)に会った際、地べたにひれ伏して「拍手」をすることで敬意を表していたという記述があります。 また、『日本書紀』にも、天皇陛下が即位される際に群臣たちが一斉に拍手をしてお祝いをした記録が残されています。

つまり、古代の日本では「最大級の敬意を表す日常的な挨拶」として手を叩いていたのです。 やがて平安時代になると、人間同士の挨拶としての拍手は行われなくなり、「神様に対する拝礼のときだけに行う特別な神聖アクション」として残されるようになりました。

3-2. 「かしわで」の語源のナゾ

拍手を「かしわで」と呼ぶ由来にはいくつかの説があります。

  • 食事と感謝の説(有力説)
    • 古代の日本にはまだお皿がなく、食べ物を「柏(かしわ)の葉」の上に盛っていました。
    • そこから、宮中で食事を準備・管理する役職の人や、お膳そのもののことを「かしわ手(掌膳・かしわで)」と呼ぶようになりました。
    • 私たちが食事の前に「いただきます」と感謝を込めて手を合わせる(手を打つ)仕草と、この食を司る「かしわ手」の言葉が結びつき、いつしか神前で手を叩くことを「かしわ手(拍手)」と呼ぶようになったといわれています。
  • 誤記説
    • 歴史的な文献の書き写しの過程で、文字が「誤記」されて定着したという現実的な説もあります。

4. 【古事記トピックス】事代主神(えびす様)が放った呪術の拍手「天の逆手(あめのむかえで)」

ここで古事記の「国譲り神話」から、古代の日本において「手を叩くこと(拍手)」がどれほど強い「言葉以上の誓いや魔除けのエネルギー」を持っていたかを示す、とても不思議で面白いお話をご紹介します!

天上の神々(天津神)が、地上の国(葦原中国・あしはらのなかつくに)を統治していた大国主神(オオクニヌシノカミ)に対して「国を譲りなさい」と迫ったときのこと。

大国主神は「私の一存では決められません。息子の事代主神(コトシロヌシノカミ)に聞いてください」と答えました。 当時、コトシロヌシは美保ヶ関(島根県)の海辺で釣りをしていたため、天からの使者がそこへ行って国譲りの承諾を求めます。

コトシロヌシは「かしこまりました。この国は天の神々にお譲りしましょう」と、非常に潔く国を譲ることを承諾しました。 しかし、その承諾を言葉にした直後、コトシロヌシはとても奇妙な行動をとったのです。

古事記には以下のように記されています。

  • コトシロヌシは乗っていた船を踏み傾け、手を「天の逆手(あめのむかえで/あめのさかて)」に打って、船を青柴垣(あおふしがき)という神聖な垣根に変えてしまい、その中にひっそりと隠れてしまわれた。

この「天の逆手(手の甲と甲を合わせて、あるいは通常とは逆の形で打つ呪術的な拍手)」は、「これ以上は一言も喋らない、絶対に嘘はつかないという神聖な神との契約・誓約」、あるいは「自らの身を隠して神域にこもるための強力な魔除けの封印」であったと解釈されています。

コトシロヌシは、後に七福神の「えびす様」として鯛を抱えてにっこり微笑む商売繁盛の神様となりますが、実は古事記においては「言葉を神に誓い、拍手によって世界を封印する」という、極めて強大な力を持つお言葉の神様(託宣の神)なのです。

私たちが神前でパンパンと鳴らす拍手も、このコトシロヌシの神話のように、「神様に私の心に偽りはありません」と魂を込めて誓う、非常に神聖な響きを持っています。

5. 神社ごとの個性が光る!伝統的な「特別お作法」

現在広く知られている「二拝二拍手一拝」は、明治以降に政府の通達などによって全国で統一・一般化された比較的新しい歴史を持っています。 そのため、古代からの伝統をそのまま守り、独自の拝礼作法を大切に受け継いでいる神社もたくさんあります!

① 出雲大社(島根県)などの「四拍手」

  • 作法「二拝四拍手一拝」(お祭りによってはさらに多く叩くこともあります)
  • 意味:4回拍手する理由には諸説ありますが、「東西南北の四方を拝み守るため」、あるいは「神様の四つの魂(四魂・しこん)に対して敬意を表すため」などといわれています。

② 伊勢の神宮(三重県)の「八度拝八開手」

  • 作法「八度拝八開手(はちどはい はちかいしゅ)」
  • 対象:主に神職(神主さん)が大きなお祭りの際に行う最も格式高いお作法です。
  • 意味:深く座って頭を下げる平伏(拝)を8回繰り返し、手を8回静かに打ち合わせます(神宮での拍手は音を立てずに打つ「短手・しのびて」が基本です)。「八」という数字は、神道において「無限」「極めて多い」という最大級の敬意を表す数字なのです。

本日の学び直しまとめ

今回は、神前での最も重要なアクションである「拝礼と拍手」について勉強しました!

  • 拝礼の基本は「二拝(90度のお辞儀を2回)」「二拍手(右手を少し引いて2回打つ)」「一拝(90度のお辞儀を1回)」。
  • 右手をずらす意味:右手(自分・陰)を左手(神・陽)から一歩引くことで謙虚さを示し、手を合わせた瞬間に「神人合一(神様と心が通じ合うこと)」を表現する。
  • 「かしわで」の語源:古代、食べ物を盛った「柏の葉(かしわで)」を扱う宮中職員から食事への感謝となり、参拝の感謝の拍手へと繋がった。
  • 【古事記トピックス】事代主神(コトシロヌシ/えびす様)が国を譲る際、誓いと封印の呪術として「天の逆手(あめのむかえで)」を打って青柴垣に隠れた神話が、拍手の極めて神聖な魔力の起源。
  • 特別な作法:出雲大社は「四拍手」、伊勢神宮の神職は「八度拝八開手」など、独自の美しい伝統が今も息づいている。

普段、なんとなく「パンパン」と形だけで打っていた拍手ですが、その音がコトシロヌシの誓いの響きであり、指先を揃える瞬間が神様と自分の心が繋がる瞬間だと思うと、背すじがスッと伸びるような神聖な気持ちになりますね。

次回は、「13:鏡と御幣について教えてください」をお届けします。 お参りするときに拝殿の奥にチラリと見える、あのピカピカに輝く「鏡」や、ギザギザした白い紙のついた「御幣(ごへい)」の正体とは!?どうぞお楽しみに!

一緒に神社検定合格を目指して、次回の勉強も楽しんでいきましょう! 最後までお読みいただきありがとうございました。$$記事下書き 終了$$

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この記事を書いた人

はじめまして、こんにちは!当ブログ管理人のぽっちゃんです。

このブログでは、日本の神話である「古事記」の魅力や、神社文化をより深く楽しむための「神社検定」に関する情報を、分かりやすく楽しく発信していきます。

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