前回は、三種の神器について学びました。今回は、皇室の祭祀が行われる宮中三殿(きゅうちゅうさんでん)について整理します。
「賢所・皇霊殿・神殿の違いは?」「新嘗祭はどこで?」——宮中祭祀の舞台です。
1. 宮中三殿とは
宮中の作法、まず神事後に位階をすす。鎌倉時代のお言葉ですね。皇室の祭祀が行われているところは、宮中三殿(賢所の総称)と、神・新嘗祭が行われる「御斎場」。そして「山陵」——歴代天皇のお墓です。
図で見ると、中央に賢所、向かって左に皇霊殿、右に神殿が並びます。
2. 賢所・皇霊殿・神殿
賢所には皇祖・天照大御神が、皇霊殿には歴代天皇・皇后・皇族の御霊が、神殿には天神地祇八百万神がお祀りされています。
賢所には皇祖・天照大御神がお祀りされている。古事記・日本書紀にも記載があるのよね。
天孫降臨の際に天照大御神が皇孫・瓊瓊杵尊に三種の神器をお渡しになり、「この鏡を私だと思って御殿の中に祀りなさい」とおっしゃったのよね。
3. 歴史——温明殿から宮中三殿へ
平安時代以降、御神鏡は内裏の温明殿(うちょうでん)にお祀りされるようになった。温明殿は源氏物語にも出てくるわね。平安・鎌倉時代には宮中で天神地祇がいろいろお祀りされたことから、「賢所」「内侍所」などと名乗られた神々もありました。
現在では皇霊殿に、歴代天皇の御霊は中世末期以降は京都御所の「小御所」という仏式で供養されていたのよ。一方、白川家では神式で歴代天皇をお祀りしていたと文献にあるの。宮中で天神地祇がお祀りされた歴史も古いのですよ。
中世の動乱期には神祇のことに携わっていた白川家や吉田家などにお祀りされていました。
やがて明治維新を迎え、明治天皇は王政復古の大号令を発せられ、明治2年、そこを奉告するため、八百万神と歴代天皇をお祀りし拝礼されました。このことが皇居の神殿造営、祭祀殿と神殿の御造営、につながっていったの。
こちらは神嘉殿です。
【古事記トピックス】鏡と賢所
賢所の中心は、天照大御神の御神鏡です。天孫降臨のとき「この鏡を私と思って祀れ」と仰せになった伝承が、いまも宮中の祭祀の中心に生きています。
本日の学び直しまとめ
- 宮中三殿=賢所・皇霊殿・神殿
- 賢所=天照大御神/皇霊殿=歴代皇族の御霊/神殿=天神地祇
- 新嘗祭などは御斎場でも行われる
- 御神鏡はかつての温明殿から、明治以降に現在の三殿へ
- 三種の神器の鏡が賢所の中心
次回は、皇室祭祀の大祭・小祭と年間の祭典について学びます。

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