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  3. 『魏志』倭人伝——卑弥呼と邪馬台国の謎

『魏志』倭人伝——卑弥呼と邪馬台国の謎

2026 10/19
国史
2026年10月19日
海を渡る古代の帆船と金印

卑弥呼と邪馬台国。日本の古代史でもっとも有名な謎のひとつは、中国の歴史書にだけ記されています。

目次

三国時代の中国と倭

3世紀、中国では後漢が滅び、魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)の三国が争っていました。この時代の歴史書『三国志』(陳寿著)のうち、魏の歴史をまとめた部分に、倭人についての記事があります。これを一般に『魏志』倭人伝と呼びます。『後漢書』より100年以上早く書かれ、史料として重視されています。

倭人伝が伝えること

項目倭人伝の内容(要約)
場所帯方郡(朝鮮半島中西部の拠点)の東南の海の向こう
国の数かつて百余国、いまは使いを送る国が三十ほど
女王男王の時代に乱れ、のちに卑弥呼が立てられた
卑弥呼鬼道(まじない)を使い、夫はなく、弟が政治を助けた
239年魏に使いを送り、「親魏倭王」の称号と金印、銅鏡百枚などを授かる
その後卑弥呼の死後、大きな墓が造られ、男王が立つが治まらず、少女の壱与(いよ)が立って治まった

邪馬台国は約三十の小国を従え、身分の差もあった社会として描かれています。

どこにあったのか

倭人伝に書かれた道のりを、そのまま地図の上でたどると、九州のはるか南の海に出てしまいます。距離か方角のどこかを読み替えなければならず、そのため九州説と畿内説の論争が、200年以上も続いています。

しかも、卑弥呼や邪馬台国の名は日本側の記録には出てきません。中国の史料でも、倭人伝とそれをもとにした書物にしか現れないのです。

大和国家との関係は

倭人伝は卑弥呼の死を247年ごろとしています。3世紀は、纒向で前方後円墳が造られ始めた時期と重なります。もし記事が正しければ、邪馬台国は大和国家に組み込まれていった一地方の勢力だったか、あるいは大和国家そのものだったか、どちらかということになります。答えはまだ出ていません。

倭人伝を自分で読み、地図に道のりを書き込んでみると、論争が続く理由がよく分かります。

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