前回は、神葬祭の参列マナーについて学びました。今回は、おうちを建てるときに行う地鎮祭(じちんさい)・上棟祭(じょうとうさい)・竣工祭(しゅんこうさい)について解説します。
「地鎮祭って何をするの?」「上棟祭との違いは?」——建築と神道の結びつきを押さえましょう。
1. 三つのお祭り
おうちを建てることにつながっているお祭りがあります。主なお祭りとして地鎮祭・上棟祭・竣工祭があり、それぞれ大きな意味があります。どのお祭りも基本的な流れは同じで、修祓に始まって直会で終わります。神職さんに出席してもらうか、あるいはご自分で行うこともできます。
2. 地鎮祭(じちんさい)
地鎮祭は、工事開始に際して土地の神様にお挨拶し、土地を祓い清め工事の安全とまもらぬ守護を祈願します。「とこしえのまつり」「地祭」ともいわれます。
地鎮祭では、大地主神や産土神(地域の守護神)をお祀りします。祭場は工事をする場所で、その土地の中央に祭壇を設置してお祭りします。神籬を立てて「清らかな場所」とすることもあります。
さらに土地の神様への供え物として鎮物(しずめもの)を埋めます。切麻や米・塩・酒、鎚い清めます。「忌」とは「神聖な」という意味です。地主と施工者が忌鎌・忌鍬・忌鋤で草を刈り土を掘り起こす所作をします。
鎮物は神籬とは別で、鉄板で作られた人形や刀・盾・矛・鏡などが入っていることがあります。地域差もあるみたいです。地鎮祭では特別なことがいっぱいあるのよ。例えば「散供」など。
3. 上棟祭(じょうとうさい)
上棟祭は、柱が立ち棟木を上げる時に行われます。建物の神様や工事の安全と建物の堅牢を祈願します。木造・RC造だからという祈願も。「棟上げ」「建前」とも呼ばれます。
4. 竣工祭(しゅんこうさい)
建物が完成した時に行われます。「新築祭」や「清祓」とも呼ばれます。新築の建物の外部も内部も祓い清め、建物が末永く丈夫でそこに住む人の繁栄を祈願します。
【古事記トピックス】土地の神と住まい
地鎮祭で大地主神や産土神をお祀りするのは、土地そのものに神が宿るという神道の考え方によります。工事の前に神に断り、安全を祈る——家づくりは、人間だけの作業ではなく神との関係のなかで進められてきました。
本日の学び直しまとめ
- 家を建てる主な祭り:地鎮祭・上棟祭・竣工祭
- 地鎮祭=土地の神に挨拶し、祓い清め工事安全を祈る
- 鎮物を埋め、忌鎌などで地を掘る所作がある
- 上棟祭=棟木を上げる時(棟上げ・建前)
- 竣工祭=完成時(新築祭・清祓とも)
次回は、上棟祭でお祀りされる神様や棟札、竣工後の神棚について学びます。第5章の締めくくりです。

コメント